ある場所。って、別に隠す必要はない。クリスマスの保育園だ。 クリスマスの飾りつけをしていた園児達の中で、定番のサンタの話になったようだった。 「おれ、知ってるぜ!サンタなんてホントはいなくって、パパがプレゼントを枕元に置いてんだ。」 この発言に対して、.....もちろん、ブーイングが起こる。まったく夢のないやつがいるもんだ。 クラス一のわるがき。そんな奴の発言を真に受ける子供はなかなかいないように思えたが、そうではなかった。 ある女の子は、帰るなり、親になきながら問いだした。 「ねえ、サンタさんがいないってホント?」 一瞬、沈黙してしまった父と母。 「なんでそう思った?」 父は、明るい口調だった。 「実は、パパもママも本物のサンタさん、見たことないんだ。」 父は、娘の目をじっと見た。娘はその目をさっとそらした。 「でも、パパはサンタさんがいないなんて思ってない。何故だかわかる?」 左右に首を振る。それを確認しながら話を続けた。 「世界中にサンタさんを待っている子供達はたくさんいる。でも、サンタさんは一人だよね。 いくら、サンタさんがみんなの笑顔で満腹になれるって言っても、世界中の子供達にプレゼント を配るというのはつらいと思わない?」 深くうなづく。 「良い子なら、待ってくれるよね。待ってたら、ひょっとしたらサンタさん会ってくれるかもしれない。 それが大人になってからか、子供のうちかはパパにはわからないけど。」 彼女の顔が明るい表情に戻った。 「それに、パパはサンタさんと約束したんだ。遭えない間、あなたにとってのサンタの代わりをするって。 だから.....枕元にあるプレゼントはサンタさんのプレゼントなんだよ。」 よく説明ができなかった。 でも....サンタがいないなんて誰が説明できるんだろう。 実際、私も妻も、たぶんそのわるがきも、本物のサンタクロースにはあっていない。 会っていないならいないというのであれば、ものすごく狭い世界だ。 単に、私達が本物のサンタクロースに会っていないだけかもしれない。だから、私達の 記憶と経験だけでいないとは言う事はできないだろう。ただ、今私達にできることは、 自分でサンタを見つける事ができるまで、サンタのかわりをするくらいしか... |
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